愛知医科大学 空所補充
愛知医科大学
[問題] 空所に入れるのに適切なものを選べ。
( ) any further problems, please do not hesitate to telephone.
①You should have ②You would have ③Should you have ④Would you have
[ヒント] 仮定法の問題です。(答えは記事の一番下にあります)。
[解説]
この問題を考える上でまず考えてほしいのは動詞の数です。どの選択肢にもhaveという動詞があり、さらに,後ろにもdo not hesitateという動詞があります。1つの英文で無条件で使ってよい(述語)動詞の数は1つまで、2つめ以降の動詞を使うときには、①接続詞 ②疑問詞 ③関係詞 のうちのどれかが必要になります。これを僕は「V2つめOKサイン」と呼んでいます。
◎V2つめOKサイン
①接続詞
②疑問詞
③関係詞
例えば、
When I was young, I liked playing baseball.
という文ではwasとlikedという2つの動詞があります。ということはV2つめOKサインが1つ必要になるということですが、どれか分かりますか?
whenが(従属)接続詞ですね。likedは元から無条件で使ってよい動詞です。一方wasはwhenというV2つめOKサインのおかけで使えるようになって動詞なわけです。
ついでにもう1つ。
I don’t care who you are as long as you love me.
上の文ではdon’t careとareとloveという3つの動詞があります。ということはV2つめOKサインが2つ必要になるということですが、どれか分かりますか?
whoが(疑問詞)で、as long asが(従属)接続詞ですね。don’t careは元から無条件で使ってよい動詞です。一方、areはwhoのおかげで、loveはas long asのおかげで使えるようになった動詞です。
そしてさらに!V2つめOKサインには省略のルールがあります。
◎V2つめOKサイン省略のルール
①従属接続詞thatは省略OK
②先行詞の直後にSVが続く時は関係代名詞or関係副詞の省略OK( “名詞+SV”のカタチ)
③仮定法ifの省略OK(必ずif節は疑問文の語順に倒置)
①ex: I think (that) he is smart.
②ex: I have never seen the man (who) she is talking with.
③ex: Were I you, I would not say such a thing. (元はIf I were you)
V2つめOKサインは英語の土台を成す非常に重要なルールですから、ぜひ覚えて欲しいと思っています。
以上の知識を踏まえてもう1度問題を見てみますね。
( ) any further problems, please do not hesitate to telephone.
①You should have ②You would have ③Should you have ④Would you have
まずはV2つめOKサインを探しますが、
ない!ない!ないないない!!!
ですね。ってことで、焦らずに省略ルールの適用を探します。
①従属接続詞thatは省略OK
→×。従属接続詞thatは名詞節を作りS・O・C・前置詞のOのどれかになりますが、どれにもなれません。
②先行詞の直後にSVが続く時は関係代名詞or関係副詞の省略OK( “名詞+SV”のカタチ)
→×。“名詞+SV”のカタチがどこにもないのでダメです。
③仮定法ifの省略OK(必ずif節は疑問文の語順に倒置)
→消去法で〇。
と考えることができます。ということは疑問文の語順に倒置されているものを選ぶことになるので、③Should you haveか④Would you haveのどちらかになりそうです。
「ってことはwouldがあるし④っしょ!」
って思った方、ちょいお待ち!!もし④ならもともと “If you would have any further problems”って文があったことになりますが、これおかしくないですか??もう1回仮定法の基本公式を見ておきましょう。(仮定法の基本公式については
https://heihachily.hatenablog.com/entry/subjunctive
)
◎仮定法2大基本公式
公式名:仮定法過去
カタチ:If S V過, S 助V過 V原~
意味:①現在の事実と違うこと ②実現可能性の低い未来
例文:① If I had enough money, I would buy that car.
② If it were sunny tomorrow, I would go out.
公式名:仮定法過去完了
カタチ:If S had Vpp, S 助V過 have Vpp~
意味:過去の事実と違うこと
例文:If I had had enough money, I would have bought that car.
助動詞の過去形はif節ではなく主節になければなりませんから、やはり④はおかしいですね。
ってことは③Should you haveですかね?でも、このshouldって何や??
ってことで、さらに新しい知識を追加させてください。仮定法の公式にはさらに2つ、発展的な公式があります。
◎仮定法の発展公式2つ
公式名:were to仮定法
カタチ:If S were to V原, S 助V過V原~
意味:全く実現不可能な内容から実現可能性のかなり低い内容まで表す
例文:If the children were to go to the seaside, they would be happy.
公式名:should仮定法
カタチ:If S should V原, ①S 助V過 V原~
If S should V原, ②S 助V現 V原~
If S should V原, ③V原~ ←(命令文)
意味:だいたい20%~30%の実現可能性
例文:① If anything should happen to you, I would be responsible.
② If Bill should call me, tell him he can come at any time.
特にshould仮定法に注意してください。公式の中で唯一、主節にバリエーションが許されています。主節に助動詞の過去形を使わず、②助動詞の現在形を使ったり、③命令文を使うことができるのです!(ちなみにコーパスデータによると③命令文のパターンが1番多いとのことです)
なぜshould仮定法ではこのようなバリエーションが許されるのか?諸説あります。一説では実現可能性がそこまで低くないことを表す時は現実性を付加するために②助動詞現在形や③命令文を使うと言われています。また一説では助動詞の過去形であるshould(shallの過去形です)がすでにあるからもう助動詞の過去形はもういらない(「言語の経済性」と言ったりします)なんて説明もされます。
以上の知識があればもう文句なしにこの問題を解ける土台が整いました。正解は④Should you haveで元は
If you should have any further problems, please do not hesitate to telephone.
というshould仮定法で主節に命令文が使われるパターンだったわけです。そしてIfが省略された結果疑問文の語順に倒置が起こり
Should you have any further problems, please do not hesitate to telephone.
という文になるわけですね。
[答え] ④Should you have
[訳] さらなる問題があれば、どうぞためらわず電話してください。