金沢医科大学 空所補充 仮定法の基本を説明しました
[問題] 空所に入れるのに適切なものを選べ。
I’m sure the physics professor ( ) you more information on her new course if you had asked her.
① should give ② would give ③ would have given
④ might give ⑤ might have given
[ヒント] 仮定法の公式と助動詞のニュアンスがポイントです。(答えは記事の一番下にあります。)
[解説]
この問題を解くにはまず、仮定法の公式を知っている必要があります。以下の2つを基本中の基本の公式として押さえておいてください。
◎仮定法2大基本公式
公式名:仮定法過去
カタチ:If S V過, S 助V過 V原~
意味:①現在の事実と違うこと ②実現可能性の低い未来
例文:① If I had enough money, I would buy that car.
② If it were sunny tomorrow, I would go out.
公式名:仮定法過去完了
カタチ:If S had Vpp, S 助V過 have Vpp~
意味:過去の事実と違うこと
例文:If I had had enough money, I would have bought that car.
上記の公式を覚えておけば問題ないのですが、ただ覚えろというのも英語講師らしくないので、簡単に理屈を説明しますね。仮定法の理屈として以下の2点を押さえておいてください。
①現実離れのために時間を1つ過去にズラす
②気持ちを表すために助動詞の過去形を使う
まず①について。仮定法は「現実離れ」した内容を表すので、現実との距離感を出す工夫が必要になります。この距離感を出すために、時間を1つ過去にズラすという手段をとります。なので、
現在の事実と違うこと → 現在から時間を1つ過去にズラして過去形 (仮定法過去)
過去の事実と違うこと → 過去から時間を1つ過去にズラして過去完了形 (仮定法過去完了)
となります。
次に②「気持ちを表すために助動詞の過去形を使う」について。仮定法は英語ではSubjunctive Moodと言います。Moodは「気持ち」という意味で、仮定法はおしゃれに気持ちを表現するための文法と理解してもらえるといいと思います。例えば、こんな気持ちが含まれます。
If I had enough money, I would buy that car. (あの車欲しいな~ちきちょう)
If it were sunny tomorrow, I would go out. (まあ晴れへんやろうから、外出する気なんてないけど)
気持ちを表すのには何を使うのか?助動詞を使います。助動詞は英語ではModal Verbと呼べます。ModalはMoodの形容詞形ですから、直訳すれば「気持ちの動詞」です。例えば以下の2文を比べてみてください。
He is a doctor. ←客観的事実。もし彼が医者じゃなければ発言者は嘘つき。
He must be a doctor. ←主観的判断。もし彼が医者じゃなければ発言者の判断ミス。
人の気持ちはたくさんありますよね。だから助動詞もいっぱいあるのだと考えれば、めんどくさい様々な助動詞にも愛着が湧くのではないでしょうか。
ということで、仮定法は気持ちを表す文法ですので助動詞を使うわけです。ただし必ず過去形です。それはなぜかは……分かりますよね!
さて、以上の説明を踏まえて、本問の解説に入ります。もう1度問題を再掲しておきますね。
I’m sure the physics professor ( ) you more information on her new course if you had asked her.
① should give ② would give ③ would have given ④ might give ⑤ might have given
まず訳を考えると、「もし君が質問していたら、その物理学の教授はきっと君に彼女の担当する新しいコースについてもっと情報をくれたよ。」となります。実際には物理学の教授に質問しなかったんだけど、もし質問していたら…という内容ですから、仮定法過去完了の公式を使うことになるわけです。その証拠にif節はhad askedという過去完了形になっています。
ということは、主節のカタチは“S 助V過 have Vpp~”となるはずですから、③would have givenか⑤might have givenの2つに絞れました。ここから助動詞の持つ意味合いの問題になります。自分で判断できますか?
wouldはwillの過去形ですから、非常に強い意味合いを持っています。100%近い確信度で力こぶのイメージです。
一方mightはmayの過去形ですから、50%くらいの弱い意味合いです。助動詞界においてかなり弱キャラです。
本文はsureという非常に強い確信度を表す語のthat節ですから、同様に強い助動詞であるwouldが最適であると判断できます。ということで、正解は③would have givenです!
[答え] ③would have given
[訳] もし君が質問していたら、その物理学の教授はきっと君に彼女の担当する新しいコースについてもっと情報をくれたよ。