昭和大学医学部 空所補充問題
[問題]空所に入れるのに適切なものを選べ。
昭和大学医学部
Jane ( ).
①is married with three children ②will marry to him next year
③is married with an American ④marry her daughter to a doctor
⑤has been married him for 10 years
[ヒント] marryの語法がポイントです。(正解は記事の一番下にあります)
[解説]
この問題のポイントはmarryの語法を知っているかどうか、ただそれだけです。まずmarryの基本の語法3つは以下のようになります。
①marry 人 「人と結婚する」←他動詞であることに注意!
ex) Will you marry me? 「結婚してください。」
②be married (to 人) 「結婚している」 ←前置詞はto!
ex) They have been married for ten years. 「彼らは結婚して10年になる。」
③get married to 人 「人と結婚する」 ←前置詞はto!
ex) Daisy got married to Tom five years ago. 「デイジーはトムと5年前に結婚した。」
marryが狙われる理由は2つです。それは1、自動詞っぽいっけど他動詞だから! 2、withと1セットになりそうだけどtoと1セット!
以上3つの語法を念頭において各選択肢を見ることにしますが…ない!!ない!ない!ない!!ないじゃないか!!このウソつき!どこの馬の骨とも分からんやつが書いたブログの記事なんか信用するじゃなかった!クソー!
なんて発狂するのはちょっと待ってください。そう!この問題が医学部レベルたるゆえんは、「基本」語法では解けない問題だからです。医学部や早慶レベルを目指すのならば次の2つを合わせてmarryの語法知識を完全体にしてください。
④be [get] married with 子ども 「子どもがいる状態で結婚生活を送っている[結婚する]」
ex) She is married with two kids. 「彼女は結婚していて2人の子どもがいる。」
⑤marry 人 「人の結婚式を執り行う」
ex) The priest married Tom and Daisy. 「牧師はトムとベティの結婚式を執り行った。」
ということでmarryの語法完全体を以下に書いておきます。
◎marryの語法完全体
①marry 人 「人と結婚する」←他動詞であることに注意!
ex) Will you marry me? 「結婚してください。」
②be married (to 人) 「結婚している」 ←前置詞はto!
ex) They have been married for ten years. 「彼らは結婚して10年になる。」
③get married to 人 「人と結婚する」 ←前置詞はto!
ex) Daisy got married to Tom five years ago. 「デイジーはトムと5年前に結婚した。」
④be [get] married with 子ども 「子どもがいる状態で結婚生活を送っている[結婚する]」
ex) She is married with two kids. 「彼女は結婚していて2人の子どもがいる。」
⑤marry 人 「人の結婚式を執り行う」
ex) The priest married Tom and Daisy. 「牧師はトムとベティの結婚式を執り行った。」
この知識を足し合わせてもう一度問題を見てみてください。再掲しますね。
Jane ( ).
①is married with three children ②will marry to him next year
③is married with an American ④marry her daughter to a doctor
⑤has been married him for 10 years
分かりましたかね?正解は①is married with three childrenです。④be [get] married with 子ども 「子どもがいる状態で結婚生活を送っている[結婚する]」を使うわけですね。
医学部で出題されたmarryの問題をいくつか載せておきます。練習してみてください。
[練習問題]
近畿大学医学部 誤文訂正問題
Jiro has (A)long wanted to (B)marry to Yoko, but she has always been (C)determined to (D)stay single.
独協大学医学部 空所補充問題
困ったことに、父は私がサムと結婚することに猛反対しているのよ。
The trouble is that my father objects strongly ( ) Sam.
① for me to marry ② for me to marry with
③ to my marrying ④ to my marrying with
兵庫医科大学 空所補充問題
*全て不適切なら⑤と答えよ。
The priest has agreed to ( ) us in the chapel in our hometown.
① be married ② marry ③ get married ④ have married
[練習問題の答え]
近畿大学医学部 誤文訂正問題
Jiro has (A)long wanted to (B)marry to Yoko, but she has always been (C)determined to (D)stay single.
(B)marry toをmarryに直します。①marry 人の語法です。
独協大学医学部 空所補充問題
困ったことに、父は私がサムと結婚することに猛反対しているのよ。
The trouble is that my father objects strongly ( ) Sam.
① for me to marry ② for me to marry with
③ to my marrying ④ to my marrying with
③が正解です。object to Ving「Vingに反対する」、myは動名詞marryingの意味上のSです。
兵庫医科大学 空所補充問題
*全て不適切なら⑤と答えよ。
The priest has agreed to ( ) us in the chapel in our hometown.
① be married ② marry ③ get married ④ have married
②marryが正解です。⑤marry 人 「人の結婚式を執り行う」の語法ですね。
Jane ( ).
①is married with three children ②will marry to him next year
③is married with an American ④marry her daughter to a doctor
⑤has been married him for 10 years
[答え] ①is married with three children
[訳] ジェインは結婚していて3人の子どもがいる。
杏林大学医学部 空所補充問題
[問題]空所に入れるのに適切なものを選べ。
杏林大学医学部
So, here’s how we’re ( ) this goal.
①approaching ②approaching for ③approached ④approached with
[ヒント] approachの語法がポイントです。英作文でも間違いが多いポイントです。
[解説]
この問題を解くために必要な知識はただ1つ
approachは他動詞!!
ただそれだけです。ということで正解は①approachingとなります。「他動詞」という文法用語が分からない方は
福岡大学医学部 空所補充問題 - 医学部の英語 文法問題解説します
で詳しく解説しましたのでご覧ください。
本問のapproachは「接近する」という意味ですから「何を?」・「誰を?」と聞けません。なので自動詞っぽいですよね。しかし実は!他動詞なのです!!このapproachのように「自動詞っぽいけど実は他動詞」というのは非常に狙われることが多い出題ポイントです。よく出題される動詞として以下の10個くらいは押さえておいてください。
①discuss(~を議論する)
②approach(~に接近する)
③reach(~に着く)
④answer(~に答える)
⑤mention(~に言及する)
⑥attend(~に出席する)
⑦marry(~と結婚する)
⑧inhabit(~に住む)
⑨resemble(~に似ている)
⑩enter(~に入る)
単純に暗記するのならば、頭文字をとって「だらまみれ」(daramamire)と覚えるのが一つです。「だら」は「だらだら」なイメージで、勉強しなきゃだめなことは分かってるけどだらだら過ごす日々まみれな感じをイメージしてください。
ただの語呂合わせも英語講師らしくないので、真面目に英語講師らしい説明もしておきますね。
①discuss(~を議論する)
元々は「粉々にくだく」という意味なので「何を?」・「誰を?」と聞けますね。この昔の意味の名残から今でも他動詞です。
②approach(~に接近する)
スペルのapの部分がtoと同じ意味です。approach to~としたくなるでしょうが、approachのスペルの中にすでにtoが入っていると考えられ、もうtoはいらないのです。
③reach(~に着く)
元々は「差し出す」という意味なので「何を?」・「誰を?」と聞けますね。この昔の意味の名残から今でも他動詞です。
④answer(~に答える)
元々は「誓う」という意味なので「何を?」・「誰を?」と聞けますね。この昔の意味の名残から今でも他動詞です。またanswer the question below.「以下の設問に答えなさい。」という表現を覚えてしまうのもいいですね。
⑤mention(~に言及する)
元々は「思い出す」という意味(memoryと語源が一緒)なので「何を?」・「誰を?」と聞けますね。この昔の意味の名残から今でも他動詞です。またDon’t mention it. 「どういたしまして。」という表現を覚えてしまうのもいいですね。
⑥attend(~に出席する)
スペルのatが前置詞のatです。attend at~としたくなりますがスぺルの中にすでにatが入っているためatを付ける必要がないんですね。
⑦marry(~と結婚する)
元々は「娘を婿に与える」という意味で第4文型をとる動詞でした。 “父親 marry 自分の娘 婿”という形で「父親が自分の娘を婿に与える」という形で使いました。その名残を残して他動詞です。
⑧inhabit(~に住む)
スペルのinが前置詞のinです。inhabit in~としたくなりますがスぺルの中にすでにinが入っているためinを付ける必要がないんですね。
⑨resemble(~に似ている)
元々は「似せる」という意味なので「何を?」・「誰を?」と聞けますね。この昔の意味の名残から今でも他動詞です。ちなみにsemというスペルはsameと同じ意味です。
⑩enter(~に入る)
実は語源的にintoから生まれた単語です。intoがちょいっと変化してenterという動詞が生まれました。元々が前置詞から生まれた動詞なので前置詞をつける必要はないわけです。
So, here’s how we’re ( ) this goal.
①approaching ②approaching for ③approached ④approached with
[答え] ①
[訳] さて、このようにして私たちは目標に到達しつつあります。
福岡大学医学部 空所補充問題
[問題]空所に入れるのに適切なものを選べ。
福岡大学医学部
Having little experience with problems of this sort, they lack ( ) to properly deal with them.
①of the know-how
②the knowledge necessary
③the skill that needs
④the ability needing
[ヒント] lackの語法がポイントです。英作文でも間違いが多いポイントです。
[解説]
まず前半のHaving ~ sortまでの分詞構文のかたまりは「この種の問題に対する経験がほとんどなく」となります。さて、ここからです。
今までの指導経験から言うと①of the know-howを選んでしまう人が多いのですが、これは間違いです。確かにlack ofという表現はよく見ますが、よくよく思い出してください。その時のlackの品詞は何でしょうか??
分かりましたか?名詞ですね。例えば
Lack of sleep is likely to lead to serious mistakes.
のように使いますね。lackの語法に関しては以下の3つを覚えておいてください。
①lack ~ 「~が不足する」(lackは他動詞です)
ex) He lacks intelligence. 「彼には知性が欠けている。」
②be lacking in ~ 「~が不足している」(lackingは分詞の形容詞用法です)
ex) He is lacking in willpower. 「彼は意志力に欠けている。」
③lack of~ 「~の不足」(lackは名詞です)
ex) Lack of sleep is likely to lead to serious mistakes. 「睡眠不足によって深刻なミスにつながる可能性が高い。」
本問のlackは動詞として使われていますから①の他動詞としての語法を使うことになります。そこから①は違うと分かります。
ちなみにですが、「自動詞」と「他動詞」という文法用語は大丈夫でしょうか?
自動詞…Oをとれない。
他動詞…Oをとる。
例えば、arrive「到着する」を使った以下の誤文を見てください。
(×) I arrived the place at ten yesterday. 「昨日10時にその場所に着いた。」
arriveは自動詞ですので、後ろにOをとることはできません。なので、後ろに名詞をつけたい時は必ずatやinのような前置詞をつけてMにしなければなりません。
(〇) I arrived at the place at ten yesterday. 「昨日10時にその場所に着いた。」
一方でreach「~に到着する」を使った以下の誤文を見てください。
(×) I reached at the place at ten yesterday. 「昨日10時にその場所に着いた。」
reachは他動詞ですので、後ろにOをとれる、というより、「とらなければならない」のです。なので前置詞を置かず後ろに名詞を置けます。
(〇) I reached the place at ten yesterday. 「昨日10時にその場所に着いた。」
主に自動詞なのか他動詞なのかは9割方以下の方法で区別することができます。
自動詞…「何を?」・「誰を?」と聞けない
他動詞…「何を?」・「誰を?」と聞ける
例えば、run「走る」は「何を?」・「誰を?」と聞けるでしょうか?聞けないですね。なので主に自動詞です。hit「なぐる」はどうでしょうか?「何を?」・「誰を?」と聞けますね。なので主に他動詞です。
「9割方」とはっきりしないもの言いになってしまうのは、1割くらいこの判別法が通用しない動詞があるからです。例えば先ほどあげたreach「~に到着する」はこの判別法が通用しない動詞です。そしてこの1割くらいの例外的な他動詞が大学受験の文法・語法問題では頻出ポイントとなるところが、大学受験の辛いところです。次回はそこが狙われた問題を扱いたいと思いますので、楽しみにしておいてください。
さて、問題の解説に戻りますね。再掲します。
Having little experience with problems of this sort, they lack ( ) to properly deal with them.
①of the know-how
②the knowledge necessary
③the skill that needs
④the ability needing
まず③を選んだ方へ。③を選んだ場合thatは関係代名詞ですから「それらを適切に扱う必要がある技術が不足している。」となりますが意味が変ですね。これでは「技術が適切に扱う」という意味になってしまいますから×です。
次に④を選んだ方へ。④を選んだ場合needingは分詞の形容詞用法になりますから「それらを適切に扱う必要がある能力」となりますが、意味が変ですね。これも③を選んだ場合と同じように「能力が適切に扱う」という意味になってしまいますから×です。
ということで正解は②the knowledge necessaryとなります。これを選ぶとnecessary ~が形容詞のかたまりになり後ろからthe knowledgeを説明して「それらを適切に扱うのに必要な知識が不足している」となり意味も大丈夫ですね。ということで正解は②です。
[答え] ②the knowledge necessary
<Having little experience with problems of this sort>, they lack the knowledge (necessary <to properly deal with them>).
単語・熟語…sort:種類 deal with~:~を扱う、~に対処する
構造上の注意点…to properly deal with themはto不定詞の副詞的用法でnecessary(形容詞)を説明。その結果necessaryの作るかたまりが長くなったので、the knowledgeを後ろから説明している(形容詞の後置修飾)。
[訳] この種の問題にする経験がほとんどないので、彼らはこの種の問題に適切に対処するのに必要な知識が不足している。
福岡大学医学部 空所補充問題
福岡大学医学部
[問題] 空所に入れるのも最も適切なものを選びなさい。
All employees are required to wear identification cards at work.
1, during 2, within 3, while 4, for
[ヒント] duringとwhileの使い分け+省略がポイントです。
(答えは記事の一番下にあります。)
[解説]
この問題を解くためにはduringとwhileの違いを知っていることが大前提となります。前回の近畿大学医学部の記事
近畿大学医学部 誤文訂正問題 - 医学部の英語 文法問題解説します
で詳しく説明していますので、この点に不安のある方はまずはそちらをご覧になってください。この記事は前回の内容を踏まえた内容となっています。
では説明に入っていきますね。
まず選択肢にduringとwhileがある時点でこの2つの使い分けを問うている問題である可能性が非常に高いと判断してください。両者には以下のような違いがありましたね。
during …前置詞( “during +名詞”のカタチで使う)
「~間」
while …従属接続詞( “while + SV~(完全な文)”のカタチで使う)
まず1, duringを入れようかと考えますが…後ろにat workという前置詞句があるので無理ですね。duringの後ろには名詞がくるはずです。
では3, whileを入れよう!しかし!!whileの後ろにはSV~(完全な文)がくるはずです。う~ん、文法問題も人生のようにうまくいかないものですね…振り返れば僕も本当はこんな人生を送っているはうじゃなかったのに…俺もSteve Jobsや大谷翔平のようにきらびやかな人生を送っているはずだったのに…どこで間違えたのか……
なんて黄昏ムードに入っている場合ではないのです!!先に種明かしをしてしまいますと、実はこの問題の正解は3, whileになります。なぜだか分かりますか??
この理由に答えるには次のとっても重要なルールを知っておく必要があります。それは
「副詞節中では “S + be動詞”を省略することができる。」
というルールです。例えば次の文を見てください。
They were good boys when in school.
この文のwhenは従属接続詞ですから後ろにはSV~(完全な文)がくるはずです。しかし、後ろにはin schoolという前置詞句。う~ん、文法問題も人生のようにうまくいかないものですね…振り返れば僕も本当はこんな人生を送って……
なんてもう黄昏モードに入ることはありませんね。whenは従属接続詞ですから副詞節を作ります。副詞節の中なので先ほどの「副詞節中では “S + be動詞”を省略することができる。」というルールから、they wereが省略されていると分かります。They were good boys when (they were) in school. と補っていいのです。
この省略のルールは非常に大切なルールです。読解問題はもちろん、本問のように文法問題でも頻出です。正確に覚えておいてください。
ここで1つ「省略」について注意点を書かせてください。10年も英語講師をしていると英語が苦手な生徒の共通点がいくつか見えてきます。その共通点の1つが「省略を補いたがる」という悪癖です。英語に書いてある通りに読むのではなく、自分の読みたいように読めるようにするために、省略を勝手に補って目の前の英語を自分に都合の良いように変えていってしまうのです。読みづらい英文に出会った時、変えるべきは英語ではなく自分の頭の働かせ方です。言いたいこととしては
「省略を補いたがるのは誤読の元。省略のルールを正確に覚えてそのルール以外は省略を勝手に補わないようにすること。」
ということです。さて、長々と話してきましたが、フィナーレの時です。もう一回問題を載せますね。
All employees are required to wear identification cards at work.
1, during 2, within 3, while 4, for
この問題でも3, whileを入れて「副詞節中では “S + be動詞”を省略することができる。」というルールを適用させて、もともとはwhile they are at work 「彼らが働いている間」という文があったと考えることができるのです。なので表面上 “while + SV~(完全な文)”が成立していないように見えますが、ルールによって省略されているだけなんですね。
長々とした説明をお読みいただきありがとうございました。質問があったり解説してほしい問題があったらコメントやtwitterで連絡を頂ければ、できる範囲でお応えしていきたいと思っています。ブックマークやリツイートも大きな励みになりますので、この記事が参考になった方がいらっしゃったら、よろしくお願いします。
[答え] 3, while
[訳] 全ての従業員は勤務中はIDカードを身に着けておかなければならない。
近畿大学医学部 誤文訂正問題
近畿大学医学部
[問題]次の英文中の下線部には文法・語法上不適切な箇所がある。その箇所を答え、正しい形に直しなさい。(*実際の試験では「正しい形に直しなさい。」という指示はありません。)
Simon hasn't decided yet ①if he will go to ②the mountains ③or to the sea ④while the holidays.
[ヒント] 品詞がポイントです。前置詞と従属接続詞の違い大丈夫ですか?
(答えは記事の一番下にあります。)
[解説]
この問題を解くためには前置詞と従属接続詞の違いを知っておくことが必要です。以下のルールを覚えておいてください。
前置詞 …名詞(前置詞のO)と1セットになって形容詞句か副詞句を作る
従属接続詞 …完全な文と1セットになって副詞節、that, if whetherは名詞節も作る
*句:SVなしの2語以上のかたまり 節:SVありの2語以上のかたまり
例えば、The boy from America live in the area.という文において前置詞は何がありますか?fromとinですね。前置詞に関しては必ず以下のステップを踏まえるようにしてください。
前置詞の発見
↓
1セットになっている名詞(前置詞のO)の発見
↓
名詞を説明しているなら形容詞句なので( )、名詞以外を説明しているなら副詞句なので< >
↓
必ずM(修飾語)になるので文型を考える時は無視する。
先ほどのThe boy from America live in the area.という文におけるfromとinで実践してみますね。
前置詞fromの発見
↓
1セットになっている名詞(前置詞のO)America の発見
↓
名詞The boyを説明して「アメリカ出身のその男の子」となる形容詞句なので( )をする
↓
必ずM(修飾語)になるので文型を考える時は無視する。
前置詞のinの発見
↓
1セットになっている名詞(前置詞のO)the areaの発見
↓
動詞liveを説明して「その地域に住んでいる」となる副詞句なので< >
↓
必ずM(修飾語)になるので文型を考える時は無視する。
となります。以下のようになります。
The boy (from America) live <in the area>.
「カタマリでとらえる」というのは英語ができるようになる上で非常に重要です。まずは目に見えるようにカッコをつけてカタマリでとらえる感覚をつかんでいくことが大切です。
次に従属接続詞について。接続詞に関しては等位接続詞と従属接続詞の2つがあります。等位接続詞については辞書や学者によって定義がバラバラな部分がありますが、とりあえずand, but, orを基本の等位接続詞として覚えておいてください。そして、等位接続詞以外の全ての接続詞が従属接続詞となります。例えば、He can speak English well because he lived in America in his childhood.という文において従属接続詞は何がありますか?becauseですね。従属接続詞に関しては必ず以下のステップを踏まえるようにしてください。
従属接続詞の発見
↓
1セットになっている完全な文の発見
↓
that, if whether以外は無条件で副詞節なので< >、thatは基本名詞節なので[ ]、ifとwhetherはその都度考えて< >か[ ]
先ほどのI lived in Kochi when I was young.という文におけるbecauseで実践してみますね。
従属接続詞becauseの発見
↓
1セットになっている完全な文he lived in America in his childhoodの発見
↓
becauseは副詞節しか作らないので< >
となります。以下のようになります。
He can speak English well <because he lived in America <in his childhood>>.
*ちなみにin his childhoodはlivedを説明する副詞句ですね。
前回も掲載した品詞の表を以下に再掲しておきます。
動詞 |
動作・状態を表す |
名詞[ ] |
①S ②O ③C ④前置詞のO ⑤同格 |
形容詞( ) |
名詞を説明する。①名詞修飾(=M)(右矢印) ②C(左矢印) |
副詞< > |
名詞以外を説明する →M |
前置詞 |
名詞(前置詞のO)と1セットで①形容詞句(左矢印) ②副詞句(両矢印) →M |
接続詞 |
等位接続詞→対等なものをつなぐ。and, but, or, (so, for) |
|
従属接続詞→副詞節を作る。ただしthat, if, whetherは名詞節も作る |
*句:SVなしの2語以上のかたまり 節:SVありの2語以上のかたまり
さて、導入も終わり、問題の解説に入りますね。問題文をもう一度再掲しておきます。
Simon hasn't decided yet ①if he will go to ②the mountains ③or to the sea ④while the holidays.
④whileの品詞はご存知でしょうか?whileの品詞は……従属接続詞です!なので後ろには完全な文が来なければならないのですが、後ろにはthe holidaysという名詞1つしかありません。ですのでここが間違いです。ではどう直せばいいのか?名詞と1セットになるのは前置詞ですから同じ「~間」という意味の前置詞であるduringに直すのが正解となります。whileとduringの品詞の違いは高校入試、大学入試、TOEICなど全てのレベルの試験において頻出です。
during …前置詞( “during +名詞”のカタチで使う)
「~間」
while …従属接続詞( “while + SV~(完全な文)”のカタチで使う)
なぜこのような品詞を問う問題が出るのか?品詞なんて分かってなくても大体読めますよね?それはやはり発信力を問いたいからです。duringとwhileの品詞の違いなんて分かっていなくても大体読めますが、正確に書き話すことはできないんです。英作文の力を見たいが大人の理由(いろいろあります)から英作文が出せない大学が、文法問題の体裁をとって英作文の力、すなわち発信力を問うてくるんですね。やはり、品詞は大事です。
長々とした説明をお読みいただきありがとうございました。質問があったり解説してほしい問題があったらコメントやtwitterで連絡を頂ければ、できる範囲でお応えしていきたいと思っています。ブックマークやリツイートも大きな励みになりますので、この記事が参考になった方がいらっしゃったら、よろしくお願いします。
[答え] ④while → during
[訳] サイモンはまだ休みの間に山に行くか海に行くか決めていない。
聖マリアンナ医科大学 誤文訂正問題
[問題]次の英文中の下線部には文法・語法上不適切な箇所がある。その箇所を答え、正しい形に直しなさい。(*実際の試験では「正しい形に直しなさい。」という指示はありません。)
Yesterday I went to a department store to buy a dress for my sister’s wedding. I found one that looked really ①elegant and ②sophisticated, and the sales clerk told me that it ③suited me ④perfect.
[ヒント] 前回に引き続き品詞がポイントです。形容詞と副詞の違いもう大丈夫ですか?
(答えは記事の一番下にあります。)
[解説]
この問題を解くためには形容詞と副詞の違いを知っておくことが必要です。前回の記事で詳しく説明したので、形容詞と副詞の違いについて、まだ読んでいないならぜひ読んでみてください。
前回の説明を読んでいることを前提にしてこの問題の解説に入ってしまいますね。この問題では最後の部分は「完璧に私に似合う」という意味にしたいですね。なのでperfectはsuitedである動詞を説明したい、つまり副詞にしなければなりませんが、perfectは辞書を引くと形容詞ですね。ということでperfectを品詞格下げのlyを使ってperfectlyとして副詞にすれば正解となります。
もしかして①elegantや②sophisticatedを選んでしまった人はいませんか?lookを『ジーニアス英和辞典』で引くとlook C 「Cに見える」という語法が載っているはずです。ということはCに値する部分は動詞であるlookを説明しているのですから、副詞にならなければいけないのではないでしょうか。本問でも「上品で洗練されて見える」という意味なので、elegantlyやsophisticatedlyにならなければいけないのではないでしょうか…?
このことを理解するためには文型を覚える必要があります。SとかVとかCとかのやつです。一度は耳にしたことがありますよね。文型表を載せておきます。
文型 |
基本訳 |
主なVの意味 |
①SV |
「SはVする」 |
「いる」・「ある」・「動く」 |
②SVC |
「SはCにVする」(S=C関係) |
「=」・「になる」 |
③SVO |
「SはOをVする」 |
Oがthat節なら「思う」・「言う」・「分かる」 |
④SVO1O2 |
「SはO1にO2をVする」 |
「与える」 |
⑤SVOC |
「SはOがCであるのをVする」 「SはOがCするのをVする」 (O=C・「OがCする」関係) |
「させる」・「わかる」 |
文型なんて何となくですませてきた人が多いでしょうが、文型を何となくで済ませていては何となくしか英語ができるようになりません。文型は日本人が英語をマスターする上で最も意識しなくてはならないものです。このブログは文法問題の解説が主ですからなかなか詳しく文型把握の話をすることができませんが、とにかく文型は大事です。例えば、
He was so rich that he bought his dog a boy.
という英文をどう訳しますか?
「彼はとても金持ちなので少年に犬を買ってやった。」
と読んでしまった人は文型が分かっていません。正しくは
「彼はとても金持ちなので彼の犬に少年を買ってやった。」
となります。ああ、詳しく話したい。でも、文章で説明するのは骨が折れる!また気合いが入った時に文型について詳しく書きたいと思いますが、とりあえず今は
「英語は語順で意味が決まり、語順の型は5種類しかない。その5種類のうちのどれで書かれているかによって、訳し方が決められている!」
ということだけは強く刻んでおいてくださいね。
さて、
「もしかして①elegantや②sophisticatedを選んでしまった人はいませんか?lookを『ジーニアス英和辞典』で引くとlook C 「Cに見える」という語法が載っているはずです。ということはCに値する部分は動詞であるlookを説明しているのですから、副詞にならなければいけないのではないでしょうか。本問でも「上品で洗練されて見える」という意味なので、elegantlyやsophisticatedlyにならなければいけないのではないでしょうか…?」
という当初の問いに答える準備ができました。
Cに位置に来ることができる品詞は名詞か形容詞だけというルールがあります。一覧表を載せておきますね。
S(主語) |
最初に出会う前置詞のつかない名詞 |
V(述語動詞) |
準動詞と述語動詞の見極めが大切 |
O(目的語) |
名詞のみ |
C(補語) |
名詞か形容詞 |
M(修飾語) |
形容詞・副詞 |
また、lookに対してはCの位置には形容詞しか使うことができないというlookに特定的なルールがあります。例文としてはHe looks happy.「彼は幸せそうに見える」ですね。これをHe looks happily.としてしまうと、このlookはSV文型で使われていることになり、「見る」という意味になりますから、He looks happily.は「彼は幸せそうに見る。」という意味になるわけです。「動詞の意味は文型によって決まる」というのも非常に大切な英語のルールです。(ちなみにですが、look like 名詞「名詞のように見える」という語法はあります。)
本問でもelegantlyやsophisticatedlyにしてしまうと、「本当に上品に洗練されて見るドレス」という意味になってしまうんですね。
なお、僕が気合い入れて文型の記事を書くまで待ってらんねえよ!っていう意欲的な方は、ぜひ『英語リーディング教本』という本を購入し勉強してみてください。新しい英語の世界を見せてくれる最高の本ですよ。
[答え] ④perfect → perfectly
[訳] 昨日、姉の結婚式用のドレスを買いにデパートに行きました。とても上品で洗練された見た目のものを見つけて、店員さんも私に完璧に似合ってると言ってくれました。
兵庫医科大学 誤文訂正問題
[問題]次の英文中の下線部には文法・語法上不適切な箇所がある。その箇所を答え、正しい形に直しなさい。(*実際の試験では「正しい形に直しなさい。」という指示はありません。)
①In order to finish the project for the ②annually town festival, ③the volunteer members worked ④throughout the night.
[ヒント] 品詞がポイントです。形容詞と副詞の違い大丈夫ですか?
( 答えは記事の一番下です。)
[解説]
この問題を解くためには形容詞と副詞の違いを知っておくことが必要です。以下のルールを覚えておいてください。
形容詞…名詞を説明する
副詞 …名詞以外を説明する
例えば、She sings beautiful songs.という文においてbeautifulの品詞は何になりますか?名詞であるsongsを説明しているので形容詞となります。
では、She sings beautifully.という文においてbeautifullyの品詞は何になりますか?「美しく歌う」という意味で動詞であるsingsを説明しているので副詞となります。
品詞に関して何となくで済ませてきた人も多いと思いますが、それでは何となくしか英語ができるようになりません。圧倒的に英語ができるようになるためには品詞の理解が非常に重要であることは、英語が圧倒的にできるようになった出題者の共通認識であり、私立医学部の文法問題でもよく問われます(ちなみにですが、TOEICでもよく問われます)。下の表が覚えるべき品詞の知識になります。
動詞 |
動作・状態を表す |
名詞[ ] |
①S ②O ③C ④前置詞のO ⑤同格 |
形容詞( ) |
名詞を説明する。①名詞修飾(=M)(右矢印)②C(左矢印) |
副詞 < > |
名詞以外を説明する →M |
前置詞 |
名詞(前置詞のO)と1セットで①形容詞句(左矢印)→M ②副詞句(両矢印) →M |
接続詞 |
等位接続詞→対等なものをつなぐ。and, but, or,(so, for) |
|
従属接続詞→副詞節を作る。ただしthat, if, whetherは名詞節も作る |
*句:SVなしの2語以上のかたまり 節:SVありの2語以上のかたまり
現時点で無理に覚える必要はありません。これから少しずつ解説を進めていく予定ですが、まずは今日、形容詞と副詞の違いだけでもバチッと覚えてしまってくださいね。ちなみに名詞の横に[ ]、形容詞の横に( )、副詞の横に< >というなぞのカッコをのせていますが、それは「僕がこのカッコをしたらこの品詞って意味ですよ」という記号で、効率良く指導を進めるための共通言語となります。講師によってどの品詞にどんなカッコを使うのかは変わりますが、駿台予備校なんかは僕のカッコのルールと同じです(というか僕が駿台予備校のカッコの付け方を真似しているだけですが…)
さて、導入も終わり、問題の解説に入りますね。
本問では「毎年の町の祭り」という意味にしたいはずで、annuallyは名詞であるtown festivalを説明する品詞である形容詞でなければなりません。しかし!辞書を引いてみると分かりますがannuallyは副詞ですのでここでは不適切となります。ということで、形容詞のannualに直さなければならないのです。
最後に-lyという語尾について知識を追加させてください。「-ly=副詞」 のように覚えてしまっている人が多いですが、実はそうとは限りません。例えばfriendlyを辞書で引いてみてください。形容詞と載っているはずです。
実は-lyには次のようなルールがあり、これを僕は「品詞格下げのly」と名付けています。
名詞 + ly →形容詞 (friend「友達」 + ly → friendly「友好的な」)
形容詞 + ly →副詞 (happy「幸せな」 + ly → happily「幸せに」)
なぜ「品詞格下げのly」と名付けたのかというと、さきほどの品詞表をもう一度見てください。
動詞 |
動作・状態を表す |
名詞[ ] |
①S ②O ③C ④前置詞のO ⑤同格 |
形容詞( ) |
名詞を説明する。①名詞修飾(=M)(右矢印) ②C(左矢印) |
副詞< > |
名詞以外を説明する →M |
前置詞 |
名詞(前置詞のO)と1セットで①形容詞句(左矢印) ②副詞句(両矢印) →M |
接続詞 |
等位接続詞→対等なものをつなぐ。and, but, or, (so, for) |
|
従属接続詞→副詞節を作る。ただしthat, if, whetherは名詞節も作る |
*句:SVなしの2語以上のかたまり 節:SVありの2語以上のかたまり
名詞から始まってlyをつけるたびに1つ下に下がっていくでしょ。
名詞
↓+ly
形容詞
↓+ly
副詞
ここから「品詞格下げのly」と呼んでいるのです。
本問のannuallyも形容詞であるannualにlyをつけて副詞にしているわけですね。
品詞が分かればto不定詞や関係代名詞といった多くの受験生が苦手意識を持つ分野も分かるようになります。名詞・形容詞・副詞、まずはこの3つの品詞の区別をマスターしてくださいね。
[答え] ②annually → annual
[訳] 毎年開催される町祭りの計画を終わらせるために、ボランティアの人たちは夜通し働いた。